実験 -その1- で「当局から見て・・・奥会津の桧枝岐村~
燧ケ岳方面で、固定局・移動局とも極端に少ないようで交信
記録がないため山岳回折の効果については分からなかった」
と書いた "男体山の裏側方向" ですが、その貴重な初交信が
群馬県利根郡片品村固定局の局長さんと当局常置場所の間で
できたので報告します。 今回は当局自身のQSOなので送受
信の両方で確認した結果となります。
注) 同じ片品村でも "完全に裏側" には当たらない "金精峠"
移動局とのQSOは過去にありました。
アンテナは両局ともビームアンテナ (八木) です。片品村局は
近傍の日光白根山へ向け (距離が近く山頂を見上げる形となる
ため仰角を付けて、とのこと)、当局は男体山に向けての交信
でした。 当局が愛用する、超秀逸な3D地図ソフトして有名な
"カシミール3D" 上で、2つの山を挟んだ両局間の見通し関係
を確認ました。 平面内での位置関係は (クリックで拡大)
となっていて、当局~男体山~白根山 はほぼ一直線です。白根
山は男体山より若干高いだけなので、当局から見ると白根山は
男体山の影にほぼスッポリと隠れています。 次に、断面方向
(垂直面内) は下のようになっています (クリックで拡大) 。
当局~男体山、男体山~白根山、白根山~片品村局は各々見通
し可になっています。 片品村局~男体山と前述の当局~白根山
は見通し"不可"です。
実はQSO自体は430MHzSSBだったのですが、片品村局は最初
のCQ呼出しをFMで行っており (433.00MHz) 、当局からは
それもちゃんと聞こえていました。 FMでのRSレポート交換は
行わなかったのですが、おそらく 430MHz FM としては お互
いに直下プリ無しだと "51-51" で、「シグナルは小さいものの
ギリギリ全部が了解可能」のレベルであったと思われます。
これまでの他の1回の "男体山反射" のみで成立した交信に比べ
ると、非常に低いシグナル強度となっています。
【考察4】
(1) 本交信成立のパターンとしては、次の2通りの解釈が考え
られる。
A) 当局→男体山で真裏へ回折→白根山で25°方向へ回折
B) 当局→男体山で真裏へ回折→白根山で155°方向へ反射
(2) 経験的に「山岳回折では回折に寄与する山のすぐ裏側、即ち
山影は回折波が届きにくい」といった感じがある (例:当局
から見て筑波山反対側直下のつくば市など) 。片品村は白根
山の直下なので白根山からの回折波は届きにくい。また25°
の回折角は大き過ぎると思われるので、今回のケースでは
おそらくBであると思う。
(3) 男体山~白根山も近いため、男体山を越えて回り込んだ回折
波は十分拡散しないまま白根山の位置に到達すること、また
白根山の反射の方も155°の開き角は大きいので、今回の
シグナル強度は低かったのだと思う。
◆◆ 片品村の局長さん、FBなQSOをありがとうございました!

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