無線機のサウンド強化 <準備編1> 疑似音源の製作:後編
何と7年以上前の <前編> で、「次回以降、これら2つの道具
立ての製作記事を掲載していく予定です」と書いたままになって
いた記事の <続編> です!
組込み用のルネサスRX62Nマイコン搭載の基板 (Interface誌の
付録) を用い、数値テーブルのデータをD/A変換して出力する
プログラムをC言語で書いて動かしています。
◆ 発生可能な音声信号
下記の6種類で、ドライバーでトリマー抵抗を回すことによって
切り替えられます (マイコン側はA/Dコンバータで検知) 。
① ホワイトノイズ (線形合同法による疑似乱数発生で生成)
② 10周波数のマルチSine波
③ 4周波数のマルチSine波
④ 130Hzの単一Sine波
⑤ 320Hzの単一Sine波
⑥ 800Hzの単一Sine波
◆ 波形歪を精度良く検出するための工夫
②の10周波数は 250Hz/550Hz/860Hz/1160Hz/1470Hz/
1780Hz/2080Hz/2380Hz/2690Hz/2990Hz、③の4周波数
は 130Hz/320Hz/800Hz/2000Hz の各組み合わせです。
無線機の限られた帯域の中での使用を念頭に、最大周波数を
3kHzまでとしています。 また、②③の中に含まれる周波数は
互いに倍音 (ハーモニックス) の関係にならないよう、わざと
少しずつズラした関係にしてあります。
ご存じかと思いますが、単一周波数のSine波がゲイン過大など
で歪むと、元の周波数の2倍音や3倍音が発現します。 逆に、
これら倍音の含有を検知することで波形歪の有無が判定できま
す (これを数値化したものが歪率) 。 ところが、複数周波数の
混合Sine波の中に元々倍音関係の周波数が含まれていると、
判定がうまくできません。 そこで ②③では倍音の関係をわざと
崩しています。 但し弊害もあって、これらは所謂「不協和音」
なので、長く聞いていると気分が悪くなります。 また、オシロ
スコープで観察していると、波形が徐々に変化していって固定
した波形になりません。
この疑似音源を、スピーカーにつないでマイクに向けて音を入れ
たり、マイク信号の代わりに直接マイク入力端子につないだりし
て使う予定です。
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