移動/モービル環境を強化! - <その17> 6m用3エレアンテナを自作 《製作編》
《設計編》で仕様を固めたアンテナの製作・組み立て・調整に
入ります。
エレメントの材料はアルミパイプ。 前回掲げた「(3) エレメント
長はキホン1/2λで3mくらいに決まってしまうので、せめて収納
状態では2m以下のパーツにバラしたい」 という目標を実現する
ために、
φ6mm・t=1.0mmのアルミパイプ内にφ4mmアルミパイプを
挿入して、2~3本継ぎにする
という基本構成にしました。 1本のパイプ長がmax. 1mなので
放射器の片側は2本継ぎ、導波器は3本継ぎにします。 放射器は
2分割なので片側で2m未満ですが、導波器は1本ものなので2m
超になり、3本継ぎのうちの1本を収納時に外します。
ところが、実際に作る段になって、
φ6mmパイプ内径 < φ4mmパイプ外径
であることが判明。 当然、はめ込むことができません。 そこで
φ6mmパイプ内径を4mmのドリルで広げたら、φ4mmパイプを
キッチリとはめ込むことができました。 もちろん、テスターで
導通は確認しておきます。 各エレメント長ですが、調整時に
切り詰めることを前提に、50mm程度長めに作っておきます。
(赤数値は調整後の仕上がり長。 給電線・同軸ケーブルの接続
方法も図中に解説してあります)
後はブームの加工と各エレメントをブームに取り付ける固定具
を作るだけで完成です。 そして、お盆休みに泊まり掛けで会社
の無線仲間の集まり (移動運用 兼 親睦会) があるので、そこへ
持って行って調整する、という計画です。
ところが、ここで大問題が。 集まりまでもう日がないのです!
そこで、ブームの正式品はあきらめ、手近にあったラワン材で
チャッチャと骨組みを作り、エレメントは結束バンドで仮止め、
という簡単なかたちで済ませることにしました。
当日、OMさんの1人が MFJ のアンテナアナライザをお持ちだ
ったので、お借りして調整の追い込みを行いました。
(コレ、便利です! 良い値段ですが欲しくなってしまいました)
SWRは最初から50.5MHzでは十分低かったのですが、52.0MHz
では2.0超 になっていたので、各エレメントを20mm程度切り
詰めた結果、50.0~52.0MHzの全バンドで1.8以下にすることが
できました。 下図は、MFJ-259Bで測ったSWR、R (純抵抗) 、X
(虚数部) をグラフにしたものです。 各グラフとも、破線が切り
詰め前で、実線が切り詰め後です。 同調が高周波数側にシフト
しているのが分かります。 ねらった50.5MHz近辺で、虚数部が
ほとんどゼロ、R≒50ΩでSWR = 1.1という好結果です!
さぁ次は実運用テスト、という段階になって、雨が ... エレ
メントは木材に接しているので、濡らしたらダメですよねぇ。
ということで、感度・飛びの確認は次回以降になってしまい
ましたが、インピーダンスマッチング不要で、HB9CVよりも
簡単な構造の6m用ビームアンテナを作れたので、大満足です!