夏休みの自由研究に "分光器" はいかが?
8月も後半に突入!
ということで、こんなネタはいかがでしょう? 「身近な材料で分光器を作ろう!」
分光器とは? ・・・ 早い話が、お空の虹を雨上がりを待たないでもいつも見られるようにする道具です。
蛍光灯などの光源(太陽は絶対に覗かないように!)が発する光を波長ごと(=色別)に分解して、どんな波長(=色)の光がどのくらいずつ含まれているかを調べます。 色んな波長を含んだ光を波長ごとに分離することを "分光"、その結果をグラフや画像化(この記事の下のほうに載せた"虹"の写真のように)したものを「スペクトル」と呼びます。
ネット検索すると、分光器の自作記事は結構見つかります。 そんな中で、私のお勧めはコチラ。
大島 修さんの製作記事ですが、この分光器はなかなか良くできています。 奥が深いです。 紹介されているままを作って、もちろんちゃんと動作するのですが、それ以上を目指して自分なりの改良を加えるのにもすごく都合良く作られています。
私なりに少し加筆した展開図(クリックで拡大)。
分光器の箱の内部は、光の余計な乱反射("迷光"と呼びます)を防ぐために、黒く塗ります。 下の写真のように最初から黒い紙で作るのも良いでしょう(ただし、展開図の線を記入しても見にくいですが)。
箱の天井部の細い線状の窓は "入射スリット" と呼びます。 この部分の仕上げがスペクトルの見えに大きく影響するので、幅一定でシャープな細い直線状に仕上げる必要があります。
自信のない方は、この部分をもう一回り大きくくり抜いておいて、下の写真のように端がキレイな直線になっている不透明な紙片やアルミ製のテープなどを2枚、間の幅を調節して貼り付けるとキレイな入射スリットが作れます。 (ケガするといけないので、お勧めはしませんが、プロに近い人は、安全カミソリの刃を2枚対向させて作ったりします。)
肝心の光を分光する "分光素子" には、市販の分光器では「回折格子」と呼ばれる部品が使われてていますが、ここでは身近な材料として、要らなくなった「CD-ROM」を使います。 CD-ROMを放射状に6~8等分(頂角が45°~60°)くらいに切り分けたものを上の箱の内部に貼り付けます(手を切ったりケガをしないように!)。
こうやって作った分光器で、最近の演色性の良い蛍光灯を覗くと、こんな風に見えます。
こんな簡単な分光器ですが、うまく作れば分解能=10nmくらいまで作れて、結構キレイなスペクトルが見えるので、なかなか感動モノです!
上から1/3くらいのところに見えている緑の線は、蛍光灯の管内に封入されている水銀(Hgですね)が発している、波長が546.1nmの発光線です。 他に水銀の発光線では、435.8nmの青線が見えています。 404.7nmにも発光線があるのですが、これは発光強度が弱いのと、その辺の波長になると人間の目の視感度が弱いので見えていないかと思います。 他にも赤や黄などいくつかの発光線(帯)が見えますが、これらは蛍光灯の発色を白色や自然光に近づけるために管の内壁に塗ってある蛍光物質の発色です。 白熱電球だと、このように線状に分離していない、連続的な虹が見えるはずです。 なお、太陽は絶対に覗かないように!
New! 2013年版 本格的分光器編 がスタートしました!
1.構想編 、 2.試作編 、 3.研究編
分光器の箱を作る材料ですが、紙の代わりに「バルサ材」などを使って作ると、なかなかに味わいのある、木工品づくりが楽しめたりします。 下の写真は、色んな材料で作った分光器(一番右がバルサ製)。
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コメント
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ホント、超役立ちました(◎´∀`)ノ ありがとうございます
投稿: tsubasa.com | 2011年8月27日 (土) 10時00分
tsubasa.comさん、はじめまして。
コメントありがとうございました。
お役に立てて何よりです。
投稿: Donn Tacos | 2011年8月27日 (土) 13時35分
使わせていただきました。
すごくきれいに見えました。
本当にありがとうございました。
投稿: reoprais | 2011年8月28日 (日) 17時13分
reopraisさん、こんにちは。
コメントありがとうございました。
うまく作れたようですね。 良かったです。
投稿: Donn Tacos | 2011年8月28日 (日) 20時10分
使わせていただきますありがとうございます。
投稿: | 2020年7月29日 (水) 15時16分